千鳥饅頭は千鳥屋本家、宗家、総本舖にそれぞれあり。宗家は本千鳥でモダンな味、本家、総本舗は甘めで懐かしい違いはあるが、どれもおいしい
千鳥饅頭、何となく九州の銘菓というくらいで、本気で向き合って来ませんでした。しかし、いろいろ調べると大阪でも見かけるし、複数の千鳥饅頭があるようで、調べてみました。
千鳥饅頭とは
千鳥屋が発売する、茶色い皮に、白餡が入った饅頭です。鳥の焼き印をしているのが特徴です。誰もが一度は食べたことがある有名なお菓子と思います。ただ、ややこしいのは、千鳥屋というのは歴史が古く、かつ色々看板が別れているることで・・・。
千鳥屋の成り立ちと、枝分かれ、そしてお家騒動に(図あり)
江戸時代から佐賀県にある松月堂という和菓子屋さんがルーツです。その後に原田政雄氏が福岡の飯塚市で千鳥屋を開き、千鳥饅頭がヒット、戦争を経て福岡市に移転。その後、政雄氏が死去した後は妻の原田ツユが息子達にそれぞれ経営を任せました(千鳥饅頭は子供達に等しく引き継がれたということのようです)。それが元で裁判等お家騒動になるようですが・・・。
発祥である福岡県の現在飯塚市にあるのが、千鳥屋本家です。元々次男が相続していたが、海外でお菓子作りを勉強後独立したため。5男が後を継いだそうですね。そういう意味ではここがルーツと言えるんでしょうか。北九州に多くの店舗があります。
その次男が独立後、福岡市で始めたのが千鳥屋総本舖です。この次男の方がチロリアンを考案したようで、それがゴタゴタの元とも言えます。
そして三男が関西でやっているのが千鳥屋宗家ですね。本千鳥饅頭とプレミアムチロリアンという名称で、やや亜流感を出しつつ、販売エリアや名称で裁判を起こしており、これもまた複雑になっています。
とりあえず、いかのようにまとめました。わかるかな・・・(長男が東京で展開していましたが、廃業したので割愛)
と書いてみたもののわかりづらいですね。各社の概要と千鳥饅頭の情報もまとめました。
会社名 | 地域 | ルーツ | 商品名 | 参考税込価格(円)※ | 備考 |
千鳥屋本家 | 福岡県飯塚市(北九州) | 次男→五男 | 千鳥饅頭 | 210円 | |
千鳥屋宗家 | 西宮本社・大阪本拠 | 三男 | 本千鳥饅頭 | 167円 | |
千鳥屋総本舖 | 福岡市近辺 | 次男 | 千鳥饅頭 | 225円 |
表にするとこのようになります。
原材料、重量、カロリーなど
総本舖はパッケージの原材料を撮影しづらいので、公式より確認しました。宗家と総本舖は原材料はほぼ同じです。宗家はやや使われているものが多く、カロリーも比較的高くなっています。重量は現物を1個ずつ開封の上、計測しました。
ちなみに、こういう感じで購入しました。小倉駅を利用したので、駅前の百貨店(井筒屋)で本家(北九州市拠点)を購入、小倉駅内で総本舖(福岡市拠点)、帰りに大阪市で宗家を購入しました。小倉駅で見た売店では、福岡市拠点の総本舖のみ置いてあったので驚きました。
それぞれのパッケージです。大阪生まれなんで宗家が見慣れていますが、ちょっとずつ違います。基本的なデザインはにています。
断面、食べてみた比較
本家は皮に厚みがあるもののそれほど固くなく、ホロホロとした食感。そして適度な甘さですが、中では一番甘いかも。餡もホロホロで甘みが結構あります。和菓子に慣れている人にはいいですが、そうでない人には甘く感じるかもしれません。全体として懐かしい感じ。餡はそれほど豆の風味はしません
宗家は皮の甘さは控えめで、小麦のような風味も感じます。厚みがあってモチモチした食感は少し現代的に感じます。餡はギュッと固まっており、あっさり目とおもましたが、食べていくと後を引く甘さがあります。やや酸味もあり、ちょっと今風な感じがします。
総本舗は生地が詰まり気味ですが、モッチリという感じではない、重厚な味です。甘さは控えめで宗家に近い甘さです。餡も甘さ控えめで主張しすぎない中、ほのかに強い甘みを感じます。
総括としては、本家は発祥の地だけあって、昔懐かしい和菓子という印象。宗家は大阪・兵庫に拠点をもつだけあってやや現代的なアレンジ。総本舗はその中間というか、本家よりですね。いずれもとてもおいしく、味もに似ていますので、喧嘩せずに切磋琢磨していただければと思います。
まとめ(結論を3行で)
・コスパは宗家が一番良い。基本は1個200円程度
・非常に似ているが、宗家はややモダンな印象。本家、総本舗は懐かしい味
・味はどれもおいしく、行った先で見かけたら買いましょう