神戸風月堂、東京風月堂、上野風月堂のミニゴーフル(ゴーフレット)の違いは?成り立ちは?どこが元祖?
風月堂はたまに頂きますが、なんとなくのイメージは「神戸が大きく東京もある」「大きな缶入りが定番だが、小さいやつも売っている」くらいの認識でした。いろいろ調べるとおもしろかったのでまとめてみました。
これらがプチゴーフル(ゴーフレット)ですね。上から上野風月堂、神戸風月堂、一番下は東京風月堂です。
ちなみに、風月堂はいろんな情報があるのですが、まとめると以下のようになるのかなと。こういうのって調べるとキリがないのと、似たような名前だったり、何代目で襲名、暖簾別け、類似品、商標とかいろいろややこしいですね。
江戸時代 喜右衛門という和菓子屋がいた。
ツテがあって老中の水野忠邦に気に入られる。
そこから縁があって、松平定信(寛正の改革の人)にいたく気に入らる。
風月という名をもらい繁栄(上野風月堂)
そこから暖簾分けした(両国風月堂※1)
さらに色々暖簾分けした一つが「神戸風月堂」※2
両国風月堂から派生した西洋料理店があり、そこが破綻。
その後、高瀬物産(食品商社)と一緒に開始(東京風月堂)
と、かなりハショリましたが、上野=本家、神戸=分家、東京=遠い親戚、といったとこでしょうか。
※1 両国風月堂・・・ネットではHP見つからず、住所のみあり。
※2 他に長野風月堂、甲府風月堂も暖簾分け。ただし、ゴーフルは製造していない。
他にも全国に○○風月堂というのお店は散見されますが、枝分かれなのか、インスパイアなのか。わからないところもあるんでしょね。今は神戸風月堂が商標をもっていますが、上野、東京も商標は継続使用しています。
こちら本家の上の風月堂のプチゴーフルです。今更ですが、ゴーフル≒ワッフルです・・・。ワッフルは英語でフランス語ではゴーフルということです。箱はなんというかハイカラな感じかつ、懐かしいデザインです。女性が好みそう・・・。
こちらは分家の神戸風月堂です。白地に金文字をあしらった高級感があるデザインです。こちらも名称はプチゴーフルです。神戸が一番企業規模が大きいですね。大阪在住ということもあり、よく見かけます。
こちらは遠い親戚の東京風月堂です。なんでしょう、モダンなデザイン。ゴーフルの形状を幾何学模様で現しています。ちなみにこちらはゴーフレットです、小さいゴーフルという意味です。
そしてゴーフルといえばこの大きなサイズが定番ですね。小さいゴーフルも少量で販売していたりといろいろな形で購入できます。
前から気になっていたのが、ブルボンのロアンヌ。まんまゴーフルやんとおもいますが、刻印はBOURBONとあります。20枚入って300円程度でしょうか。これ以外にも似たようなお菓子があるので、それは別の機会に見てみます、
原材料などを見ていきます。うーん、違いがよくわからん。カロリーベースでは東京が一番多そうです
販売 | 1枚当たりのカロリー | 味 | |
上野風月堂 | 32kcal | バニラ・チョコレート・ストロベリー | 12枚(2枚×6袋) |
神戸風月堂 | 30-31kcal | バニラ・チョコレート・ストロベリー | 12枚(3枚入×4袋) |
東京風月堂 | 38-43kcal | バニラ・チョコレート・ストロベリー | 12枚 |
にするとこのようになります。うーん、横並びですね。価格もすべて12枚で500円です。
では、ご開帳です。
一覧にあったように、一箱12枚は共通ですが、包装形態は異なります。上野は例えばバニラ味なら2枚で一袋、神戸は一袋に3種類の味、東京は1枚ずつ個包装です。
さて、開封しましたが、うーん。違いが判らない。左からバニラ、ストロベリー、チョコと並べています。
見た目は神戸が色濃い目で、文字がはっきり見えますね。デザインはほぼ一緒ですね。周囲に稲穂のような模様があって、中に英語ですね。東京だけゴーフレットですが。とりあえずはがしてみましょう。
販売 | クリーム | 生地 |
上野風月堂 | 砂糖のジャリット感があり、たとえるならモロッコヨーグルのような。そこまで甘くはない。 | 味の薄い炭酸せんべいのような、オールブランのような麦感のあるシンプルな味。 たとえるなら、薄くてサクサク、素朴な味(素朴・あっさり) |
神戸風月堂 | 上野よりは甘い。オイリーで舌に残る感じはある。 | 例えるならウェハースっぽいような洋菓子感というか。 厚みがあって、やや硬め。生地も甘め(甘め・濃い) |
東京風月堂 | 上記2点とも違う、やや酸味と蜂蜜のような風味。あっさりして油は少ない? | 甘さはそこそこという感じ。生地は硬めだがあつみというか層は感じない。 薄くて固い。ちょっと甘い(中庸) |
最初食べたときはほとんど違いがわからないですが、食べ比べるうちに上記のように違いが見えてきました。
でも極端な違いがあるわけではないですね。例えば生地が詰まっているとか、パイ状とかそういうのも見た目にはわかりません。ではバニラ以外も見ていきます。
販売 | ストロベリー | チョコレート | 総評 |
上野風月堂 | 多少のイチゴの風味というか香りはあるが、なんというかうーん、モロッコ・・・ | チョコの味はしっかりしている。あっさりはしている。 | 素朴で昔からある味 |
神戸風月堂 | スーパーのケーキにあるホイップクリームのような味。イチゴ感はほぼなし | チョコ感はなく、くどさを感じる。 | 濃くて甘いお菓子 |
東京風月堂 | やや粉っぽい独特な舌触り。こちらもイチゴ感はなし | 一番チョコ感があって、おいしい。 | 上記の中間でちょうどよい |
うーん、なかなか極端な違いは見られませんね。ただ箱のデザインに近い印象があり、それは各社意識しているのか、すみ分けを行っているのか、勝手にそういう印象をもちました。上野は元祖の誇りを持って素朴な味、神戸は国際都市として西洋風に濃厚、東京また両社と違い、独自に都会的にという勝手な印象です。
結論としては以下の通りです。
・素朴 上野>東京>神戸 濃厚 という感じだが差はわずか。
・3種類ともうまい。どれを買ってもはずれなし、デザインで選ぶのもあり。